海外事業とは、「企業理念を輸出」しにいくこと

森辺一樹とゲストの特別対談シリーズ【グローバルの流儀】
第4弾のゲストは森永製菓株式会社 取締役 上席執行役員 山下充洋氏をお迎えしての対談です。

森辺: 山下さんの現状の仕事内容を教えていただいてもよろしいですか?

山下: はい、今はお菓子を売っております。(笑) その中でも現在やっているのは、「海外事業自体の構築」という認識を持っています。

対談風景 森辺: 消費材・日用品の業界でも海外への輸出については商社を使っていますが、 海外事業をつくるという点では「販社だけ作って終わる」という印象が強いです。 御社ではいかがでしょうか?

山下: 日本企業の海外事業でもったいないと感じるのは、まず自社でやろうとしないことです。 商社や代理店に全てをお願いして丸投げするところが多いですよね。 それは良い部分もありますが、そこから先に踏み込んでいけなかったり、経験値が上がりません。 少し踏み込む会社であっても、今森辺さんが仰ったように販社を作って形を整えますが、実際に事業として捉えていません。 この部分を構築出来ないから、海外事業は、売り上げも小さいし、手間がかかるわりには面倒くさいなと思ってしまいます。 だったら、もう国内をもっと強化すればいいのではとなってきます。

森辺: そうですね。弊社も様々な企業の支援をしていますが共感できます。 もっと日本企業は海外で戦えると思うのですが、なぜなかなか上手くいかないのでしょうか?

対談風景 山下: 一言でいうと「ビジネス(事業)」として捉えていないからだと思います。 ただの「ディール(取引)」と捉えているから上手くいかない。 それでは、海外事業における「事業」とは何なのか?と言う事ですが、私は、海外事業とは「企業理念を輸出しにいく作業」だと考えています。 出来るだけメーカー自身が直に市場に近づいて行くべきだと考えます。 私は「事業」というのはそういうものだと思っています。

森辺: 以前、山下さんは森永製菓の強みは食感だとおっしゃっていましたが、その点は如何ですか?

山下: 強みというか、私は海外に売っていくべきときに差別化をする訴求ポイントは、「食感」にあると思っています。 それは、やはり日本の技術力の証明でもあるという部分が1つと、やはり食べていて何かが違うと感じて戴く、 新しい商品は、価値によって生活者を感動させないと受け入れてもらえませんし、そこで食感を全面に押そうと考えたわけです。

森辺: お菓子の完成度はやはり日本企業の強さになりますよね?

山下: はい。当社に限らず日本の菓子の完成度の高さというのは、世界で戦えると思っています。 当社のように技術的に裏打ちされた「食感」。それともう1つは「パッケージング」。 全ての日本の商品のパッケージング力は世界一ですから。

グローバルの流儀 特別対談シリーズ

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森辺 一樹 (もりべ かずき)

スパイダー・イニシアティブ株式会社 代表取締役社長兼CEO
森辺 一樹 (もりべ かずき)

法政大学経営大学院イノベーション・マネジメント研究科 特任講師

1974年生まれ。幼少期をシンガポールで過ごす。アメリカン・スクール卒。帰国後、法政大学経営学部を卒業し、大手医療機器メーカーに入社。2002年、中国・香港にて、新興国に特化した市場調査会社を創業し代表取締役社長に就任。2013年、市場調査会社を売却し、日本企業の海外販路構築を支援するスパイダー・イニシアティブ株式会社を設立。専門はグローバル・マーケティング。海外販路構築を強みとし、市場参入戦略やチャネル構築の支援を得意とする。大手を中心に17年で1,000社以上の新興国展開の支援実績を持つ。著書に、『「アジアで儲かる会社」に変わる30の方法』中経出版[KADOKAWA])、『わかりやすい現地に寄り添うアジアビジネスの教科書』白桃書房)などがある。


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