海外ビジネス談

ホスピタリティーにあふれる「コロンビア」

ピーエムグローバル株式会社 取締役 河野 英嗣

ホスピタリティーにあふれる「コロンビア」

1996年から昨年まで、中南米で仕事をしていました。駐在の経験はアルゼンチン、メキシコ、コロンビアの3か国ですが、出張ではペルー、エクアドル、ベネズエラ、パナマ、グアテマラなど、中南米各地の幅広い国々を訪れていました。

どんな国でも、人と人との関係でビジネスが成り立っているので、ビジネスのやり方が根本的に違うということはないと思います。しかしながら、個人や組織の単位で見てみると、ビジネスパートナーに対して最大限のホスピタリティーで応えようとする方が多いと感じました。

個人的には、そうしたホスピタリティーを一度ならず何度も感じたのはコロンビアでした。なぜかコロンビアでは、こうした方々にお会いすることが特に多かったのです。

日本のビジネス界でも、お客様やビジネスパートナーと会食したり自宅や別荘に招待したり、ゴルフで一緒にラウンドしたりといったような接待はよく見られます。ただコロンビアで何度も体験したホスピタリティーは、目の前にビジネスパートナーがいる間は、さりげなく様子を見守りつつも、その実はすべての時間を全力でその人に向けている、という感覚があり、日本や他の国との違いを感じました。

例えば、コロンビア人が経営する工場に伺った時も、南部の都市パストを訪れた時にガイドをしてくれた地元旅行社のご夫妻も、仕事の枠をはるかに超えて、夜中まで、お酒を飲み、踊って一緒に楽しんでくれる、そんな方々でした。

他にも、コロンビアで太平洋側の最大の港ブエナベントゥーラへ行くことがありました。ブエナベントゥーラは、かつてカリカルテルと呼ばれる麻薬組織の暗躍もあって治安が安定しないとの理由から、日本の外務省も危険地域に指定してビジネス活動を制限していました。コロンビア全体では2003年頃から麻薬組織の解体が進み、治安状況が大幅に改善していたことを受けて、商工会議所の場で日系商社や大使館等にも働きかけて、合同ミッションを組成して訪問する機会をつくったのです。この訪問先のアレンジをしていただいたバジェデカウカ県の投資庁の方々のホスピタリティーも大変印象に残るものでした。

これらは一部の例ですが、コロンビアに駐在していた約4年間、常日頃感じた接待ではなく自然体で接してくれるホスピタリティーでした。

地元のお祭り、訪れた観光地やランドマークとなる建物なども素晴らしいのですが、こうしたホスピタリティーを含めて、是非お勧めしたい国です。

このようなホスピタリティーを受けたせいなのか、やはり何とか工夫してこの方々とビジネスをしたいという前向きな強い気持ちが生じました。人と人との関係ですから、ビジネスライクな関係を超えて、個人的な関係が築けたらと感じ、その方のためにできる限りのことはやり、それに報いたいと考えるようになりました。

河野 英嗣

河野 英嗣

ピーエムグローバル株式会社 取締役

慶應大学理工学部卒。東京銀行(現三菱UFJ銀行)にて、IT、グローバルリスク管理、海外営業・管理に携わる。特に北南米でのキャリアが長く、メキシコ、アルゼンチン、コロンビアでの駐在を経験。新規進出・現地企業との提携・法務・税務・人事など多岐にわたる日系企業のサポート、および現地企業とのネットワーク強化に精通。2022年よりピーエムグローバル取締役として、海外拠点のマネジメントほか、リスク管理・DX推進も手掛ける。日本語・英語のほかスペイン語も流暢。

ピーエムグローバル株式会社

会社名:ピーエムグローバル株式会社(PM global,Inc.)
所在地:〒151-0063 東京都渋谷区富ヶ谷1-10-2 Citta代々木公園6F
TEL:03-6674-4619   FAX:03-6673-7695
設立:2005年2月28日
代表者:木暮 知之
資本金:1,400万円
取引銀行:みずほ銀行浜松町支店
主要取引先:欧州系自動車メーカー
      外資系ハイテク産業
      日系自動車メーカー
      日系航空会社
      インド系ITコンサルタント会社
      日系製薬メーカー
      大手総合商社
      米系医療サービス会社
      金融・出版 など
       
加盟機関:イノベーションズアイ
     東京商工会議所会員
     日本外国特派員協会会員

関連事業:社団法人グローバルコネクター協会

Webサイト:https://www.pmglobal.jp/

イノベーションズアイ会員情報:ピーエムグローバル株式会社

海外ビジネス談は、イノベーションズアイ会員企業を対象に取材しています。