海外ビジネス談

ブラジルでの市場調査、日本とは大きく違う納期観念

WIPジャパン株式会社 代表取締役社長 上田 輝彦

ブラジルでの市場調査、日本とは大きく違う納期観念

数年前の話ですが、日本のメーカーからの依頼でブラジルの市場調査を行うことになりました。調査の対象地域は、大都市圏だけではなく、地方都市も含んだ広域であったため、連携可能な現地企業を探し協力依頼をしました。初めて連携する企業なので、納期もある程度余裕を持って計画し実施することにしました。

実際に調査がはじまり、進捗確認を定期的に行いますが、「大丈夫」と言うばかりで、計画通りに全く進んでいないことが途中で判明。納期に対する遵守の度合が日本とあまりに違うことにビックリしました。連携先は、現地在住の日本人であったので少し安心していたのですが、在住が長いと現地の感覚に近づいていくのでしょうか。(苦笑)

納期に余裕を持つのは日本でも必要ですが、その余裕の幅が日本と格段に違うので、予め準備の段階で次善策を含めた注意が必要だと感じました。もちろんブラジルでも納期を守る企業は沢山あるとは思いますが・・・。



日本人の納期観念は、すばらしいものがありますが、やはり世界的には少数派でしょう。海外からみると、日本人は細かいところにこだわり過ぎで神経質だと思われていると感じます。

一方で、そういうことを含め、日本人というだけで一定の「信用」を得られるところもあり、先人の恩恵だと心から思います。



これから日本は未曾有の人口急減を迎えます。ジリ貧になり、経済が急落する地方が続出するでしょう。そうならないためにも、日本人は「日本語以外の市場」に目を向けることが今後必要になります。

同時に、これからは、自分で外国語を読めなくても話せなくても書けなくても、便利なツールやサービスを利用すれば、難なく仕事を進められる時代に入っていきます。

海外市場にチャレンジしながら海外文化を知る、それが日本文化、ひいては自分の長所・短所に気づくことにつながる。これがグローバルビジネスの醍醐味だと思います。

上田 輝彦

上田 輝彦

WIPジャパン株式会社 代表取締役社長

Think More Globally を掲げる多言語化支援・WIPグループ、WIPジャパン代表取締役・創業者。「グローバルビジネスほど面白いものはない」が信条。日本全体をマーケティングするのがライフワーク。

WIPジャパン株式会社

多言語・インテリジェンスで課題解決提案をする会社。
1995年に「もっと理解しあえる世界をつくりたい」を理念として創業。世界400以上の都市に拡がるネットワークを活用し、官公庁・地方自治体・国内外有力企業・調査研究機関など約8,100社(2021年9月現在)の顧客に、高度な多言語運用力が必要とされるサービス(翻訳・通訳・海外調査マーケティング)を提供。

Webサイト:https://japan.wipgroup.com

イノベーションズアイ会員情報:WIPジャパン株式会社

海外ビジネス談は、イノベーションズアイ会員企業を対象に取材しています。