ファッションは世界共通語 第1回 ファッションは世界共通語

岡田亮二
 

皆さん、はじめまして。

東京の外苑前でLOUD GARDENという、オーダーメイドの服やアクセサリーを取り扱う店とRYOJI OKADAというアヴァンギャルドなテイラードウェアブランドをやっている岡田亮二と申します。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

ロックの日にLOUD GARDENをオープン

 

2012年6月9日(音楽好きの間では一般的な「ロックの日」です笑)にLOUD GARDENをオープンさせる以前は、某アパレル企業の社内ベンチャー事業としてA WORKROOMというテイラー/ブランドを約10年間に渡り率いていたのですが、ある日「人生は一度きり。自分自身の力と可能性をダイレクトに試したい!」と思い立ち、独立を決意しました。

そのアパレル企業、特に社長さんには、諸々本当にお世話になったので、たくさんの恩を感じているのですが、その中でも最も感謝をしているのは世界市場へのチャレンジに力を貸してくれたことです。

 

僕は、幼少の頃から装うことと音楽が大好きで、高校生になった頃には「ファッションと音楽が融合したような仕事がしたい」と超漠然とではありますが思うようになっていました。
そして、当時「かっこいい!」と思えたファッションと音楽のほとんどがヨーロッパ産でしたから、「ファッションと音楽を融合した仕事をするなら、いつかは世界で、本場のヨーロッパで勝負しなきゃいけない!絶対にやるぞ!」と夢想するようになるのにそう時間は掛かりませんでした。

それが、現在に至る僕の初期衝動です。

 

その初期衝動に従って、当時最も「かっこいい」と思ったGIEVES & HAWKESというイギリスを代表するテイラー/ブランドの日本展開における企画責任者を務めるために某企業に入社、ほどなくしてその職を就くことになり数年の経験を積んだ後で、A WORKROOMを立ち上げました。

遂に自身の初期衝動を現実のものにするためのスタートラインに立った一方で、様々な経験を重ねキャリアアップをしていく中で「現実を知る」罠にも陥ってもいました。

気付いたら「世界で勝負なんて夢は実際にはなかなか難しいよね。それよりも目の前にある諸々を片付けて事業を成長させなきゃ」なんて思ったりするようになっていたのです。

また、学生時代にデザインやパターンの勉強をした訳ではないという現実も、初期衝動を取り戻す妨げになっていました。

 

「どうして世界でやろうとしないの?」

 

そんな時に、偶然にもふたりの尊敬する人物から「どうして世界でやろうとしないの?Ryojiの創造力ならチャンスはいくらでも現れるよ。でも、それを現実のものに出来るかどうかはRyoji次第、行動を起こすかどうかだよ」という主旨の言をもらいました。

ひとりは、顧客であり友達でもある、とりわけBob MarleyやSex Pistolsの写真で知られる偉大な写真家デニス・モリス。

もうひとりは、世界各国に巨大&特殊なネットワークを持つ、長野県は安曇野にある酒蔵の18代目当主のお姉様。

このふたりの言葉に目を覚まされた僕は、約10年振りに初期衝動を取り戻し、すぐに世界市場へのチャレンジプランを立てました。

2009年のことです。

 

そして、イタリアはフィレンツェで半年に一度開催されている、世界最大にして最重要の紳士服見本市PITTI IMMAGINE UOMOに、初めて自身の名前を冠したレディメイドブランドA WORKROOM by Ryoji Okadaを立ち上げ、参戦しました。
2010年6月のことです。



PITTI IMMAGINE UOMOは簡単に出展が出来る展示会ではないのですが、いろいろなラッキーが重なって、プランを立ててからかなりのスピードで出展が決まりました。

今でも出展の「合格通知」が届いた時の歓喜は忘れられません。

 

その後、4回連続で出展し、諸々の成果と手応えを得たものの、独立したことで現在は中断中、LOUD GARDENのオープン2周年を機に、世界市場へのチャレンジプランをもう一度作り直そうと思っています。

 

そんな4回のチャレンジで得たもの。

 

たくさんありました。

ヨーロッパのセレクトショップの店頭に自身がデザインした服が並んだこと、イタリア最大部数を誇る新聞Corriere Della Seraに半ページもの大きさで取り上げられたこと、何人ものデザイナーと友達になれたこと。



大好きな俳優、John Malkovichさんがコレクションを見に来てくれて「素晴らしい!」と感動してくれたのも最高に嬉しかったです!






でも、それらのとっても美しい経験以上に得難いギフトだったのは「ファッションは言葉の壁を容易に超える」ということを自分の作品たちを通して再確認出来たことでした。

 

「ファッションは世界共有語」を痛感した


例えば、スペイン語が話せなくても、展示ブースに陳列されたコレクションがスペイン人バイヤーに語りかけるのです。

例えば、ナイジェリア語が話せなくても、自らまとった自身の作品がナイジェリア人デザイナーとの挨拶代わりになるのです。

もちろん、ビジネスの話や取材に進展した場合には、相互理解出来る言葉、すなわち英語でのやりとりが必要になる訳ですが、「欲しい!」とか「かっこいいじゃん!」とか思ってもらう時点においては、言語は絶対不可欠ではないのです。

いや、それどころか、百の能書きより一点のエキサイティングな作品の方がよっぽど説得力がある言葉なのです。

 

「ファッションは世界共通語」。

考えてみたら当たり前のことですが、自分にとっては素晴らしく貴重な確信でした。

そして、その確信が、世界市場への再チャレンジプランを作り直す大きな裏付け、自信になっています。

再チャレンジのタームに入った時にはこのコラムでもレポートが出来ればと思います。

 


第1回ということで、何だか自己紹介のような感じ、ややお堅い内容なってしまいましたが、頭の中のほとんどは音楽と映画とNBAとファッションと家族のことで締められておりますので、次回以降はくだけた内容で好きなことを語ってみようかとも思っています。

もしよろしければ、好きなことを語り続けて数年、ほぼ毎日更新しているblogもチェックしてみて下さい。

 

何はともあれ、今後ともよろしくお願いいたします。

 

blog

https://ryojiokada.com/diary/

 


 
 

岡田亮二

LOUD GARDEN Creative Director ,RYOJI OKADA Designer
岡田亮二

LOUD GARDEN Creative Director ,RYOJI OKADA Designer岡田亮二1971年 東京生まれ。
1995年より、イギリスを代表する老舗テーラー、GIEVES & HAWKESの日本展開における企画責任者として活躍。
2002年10月に自身のブランド/テーラーショップ、A WORKROOMをメンズアパレル企業と共同で立ち上げる。
A WORKROOMは、アヴァンギャルドなテーラーとして直ぐに頭角を現し、ミュージシャン、俳優、フォトグラファー、アスリート等、クリエイティヴな職業に就く数多くの著名人を顧客名簿に持つブランドへと急成長する。
2010年に、既製品のコレクションライン、A WORKROOM by Ryoji Okadaを立ち上げ、世界最大の紳士服見本市PITTI IMMAGINE UOMO(フィレンツェにて半年に一度開催)にて発表。
ヨーロッパの小売店に自身がデザインした服を卸すという長年の夢を実現させるとともに、イタリアで最大部数を誇る日刊紙Corriere della Seraで取り上げられる等、ヨーロッパのファッション業界に大きなインパクトを残すことに成功する。
PITTI IMMAGINE UOMOへの出展を4シーズン続けた後に「敢えて茨の路へ!」と決意、完全なインディペンデントの立場を得るためにA WORKROOMを解散させ、2012年に自身のテーラーショップLOUD GARDENと自身のブランドRYOJI OKADAを設立。
「独力での日本発世界」を目指して、”Love, Passion and The Heart of Rock’n Roll!”な日々を生きている。

LOUD GARDEN official website www.loudgarden.com
RYOJI OKADA official website www.ryojiokada.com

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