バラガンだらけなイスラエル
イスラエル在住 水谷徹哉
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第1回 イスラエルとはどんな国なのか?
一般的なものでは、砂漠の国、小さな国、ユダヤ人の国、暑い国。また昨今のハイテク分野産業の躍進からハイテク国家というイメージもあるかもしれません。一方、同国が抱える政治・国際問題等からややネガティブなイメージが強いのも確かでしょう。軍事国家、テロや紛争の多い国、パレスチナやアラブの敵、ひいては占領国家、等等。
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第2回 アップルがイスラエルのハイテク企業を買収する理由
11月下旬のある日、当地経済紙に興味深いニュースが紹介されていました。 「AppleがイスラエルのハイテクスタートアップPrimeSenseを買収」。 買収額は約3億5千ドル。この額の規模はさて置き、PrimeSenseというこの会社、3D感知技術を主体とする先端テクノロジーを有し、本部及びR&D拠点を当地テル・アビブに置きつつ、アメリカ、日本、韓国、台湾等にも拠点を持つ、ハイテク分野では有数として知られるイスラエル企業です。 イスラエルのハイテク企業が世界の大手に買収されるのは何も同社に始まった話では決してないのですが、本記事の話題性は主に下記2点に集約されるかと思います。
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第3回 日本でも大人気のMax Brennerはイスラエル発
日本ではMax Brennerが盛況の模様ですね。表参道ヒルズに第一号点が、またスカイツリー・ソラマチに第二号店が出展され、いずれも待ち時間は相当だと聞いています。 このイスラエル発のチョコレート・バーは現在アメリカ、オーストラリア、フィリピン、シンガポールなどにも出店され人気を博しており、一躍グローバルなチョコレート・ブランドになりつつあります。
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第4回 SNS大国イスラエル
先月の話ですが、「FACEBOOKがWhatsApp Messengerを190億ドルで買収」というニュースが流れました。WhatsAppとはスマートフォン向けのインスタントメッセンジャーアプリです。ユーザーは主に北米や西欧に集中しており、日本では類似のアプリケーションとしてはLINEが圧倒的シェアを誇っているため、読者の方々にはあまり馴染みがないソーシャル・アプリなのかもしれません。そういう背景もありこのニュース自体はあまり日本では大きくは報じられなかったものと思われます。
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第5回 イスラエル版シリコン・バレー
シリコン・バレーの「Valley」は英語で谷間や水渓を意味しますが、同じような意味を持つ当地の言語に「Wadi」という言葉があります。これはもともとはアラビア語で雨季以外には水のない谷川を意味し、当地では口語の現代ヘブライ語でも併用されるようになった言葉です。
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第6回 ユダヤ宗教祭から見る食文化
当地ではつい先日、ユダヤ3大宗教祭の一つである「Pesach」(Passover)を迎えました。この宗教祭は日本語では「過ぎ越しの祭り」と訳されます。本記事が掲載される頃には終わってしまっているのですが、今回は当地の宗教祭やそれにまつわる食物規律、また、当地にて一般的に実践されている「コシェル」(Kosher)というユダヤ教の食物戒律の一部について紹介してみたいと思います。
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第7回 イスラエルワインは世界レベル
前回は当地の食文化について触れました。これには「いつになく」相当な反響がございまして、「食」関連の話題というのはやはり読者の皆様の関心を捉え易い話題なのかな、と思ったりしました(笑)。ということで、今回も引き続き「食」に関連した話題とさせて頂きます。前回の稿でも若干触れましたが、「ワイン大国」としてのイスラエルの知られざる側面をご紹介いたします。 まず、読者の皆様には中東とワインというリンクに、なかなかピンとこないかもしれません。実は当地とワインの結びつきは意外に深く、古くもあります。 イスラエル・ワインの歴史 まず、旧約聖書においてワイン関する記載が多々目にすることができます。そこでは宗教祭における儀式や祈祷、また季節の変り目における収穫祭等の場面にて不可欠なものとして取り扱われており、古代ユダヤ帝国の神殿(現エルサレム旧市街)においては、国王自らが有するワインの貯蔵庫があったとする記載もあります。
イスラエル在住
水谷徹哉
名古屋大学卒業(修士)。在イスラエル大使館専門調査員(05’)、JICAパレスチナ事務所企画調査員(12’)。計10年間日本国政府ODAによる対パレスチナ支援に従事する。主にガバナンス分野における国際機関経由、またJICA技術協力案件の実施管理を担う。2013年よりイスラエル国Galilee International Management Instituteに勤務。主に日本向けのコンテンツの開発等を担当。