ケアンズ発!働きながら世界一周
ホットホリデー株式会社 代表取締役社長 矢澤善夫
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第1回 働きながら世界一周を夢見て
子供の頃から好奇心旺盛で、いつも新しい場所に行って興味のあるものは母親に質問ばかりしていました。小学校低学年の頃、目の病気で自宅の久里浜から30分かかる横須賀に通院していました。母親を連れずに1人で行くことをきっかけに、その後は通院でなくてもちょくちょく横須賀でラーメンを食べたりデパートに行ったりしました。中学になると原宿など東京方面へまで足を延ばすようになっていました。 高校は部活に励んだため、旅行はお預けだった。
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第2回 就職白紙から400万の貯金で独立決意
就職先は白紙になってしまい心機一転、パースから入国後、パースで就職活動しました。 パースは日本人観光客も多くないので3社ほど有名な旅行会社には掛け合ったがあまり思わしくなかった。 見切りをつけてシドニーに移動しました。 シドニーに到着後すぐに地元の日本語新聞を入手して20社に電話をしました。ネクタイ締めて直接履歴書を渡しに行ったり、まだ土地勘のない大都会のシドニーを歩き回りました。2都市をまたいで就職活動をしたおかげでシドニーにて中堅の現地旅行会社入社することができました。その後はシドニー、ケアンズ、パースなど支店を転々として、新規事業、店舗出店、企画立案などを経験しました。
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第3回 開店初日、初めての予約
ケアンズ店開店 会社を設立し開店したのは12月上旬。1年の中でも、もっとも暇な時期でした。学生はテストに向けて外出を控え、社会人の多くは年末ということで多忙なためです。そんな閑散期にオープンしたため、お客様はなかなか来ません。設立当初から資本金=運転資金の400万円がなくなってしまったら会社をたたもうと決意していましたがこのままではあっという間に軍資金は底を尽いてしまうとびくびくしていました。 開店初日、起業して初めての予約は今でも鮮明に覚えています。学生風の男の子が一人、ラフティングを私から購入してくれました。今までは誰かが作ってくれたレールの上で販売をしていましたが、今日からは自分の看板のみで売り上げを上げなければならない。お客様からお金をもらった時は、実は手が震えていたのではないかと思うほど緊張したものです。私を信用して私にお金を払ってもらえたこと、今までは何も感じずに普段していた販売が、とても新鮮であり、販売出来たことに本当に感動しました。
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第4回 会社を売却し、オプショナルツアーへ特化
2000年に創業以来、業績は好調で毎年前年比10%以上アップしました。毎月の収支で昨年対比割れ、及び単月での赤字になったことはなく毎月右肩上がりでした。 私は、業績が下がり昨年対比を割ってしまうことなんてありえないと起業して3年ぐらいは本当にそう思っていた浅はかな頃でした。 業績が好調なのは私の力量ではなく、単に時代と環境がよかっただけなのだと後で本当に身に染みたことです。
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第5回 飛び込みで世界中に取引先を増やしていく
会社を売却して 会社をIT企業に売却して、私は久しぶりに上司がいる環境に戻りました。 上司とは売却した会社の幹部であり全員、私より目上の方々でした。IT企業ということもありいろんな面で徹底していました。 例えば、紙とペンをデスクには一切置いてなかったり、オフィスビルのどこでもWIFIが使えたり、当時としてはよい設備と環境でした。 しかしオプショナルツアーに特化したウェブサイトの売り上げは当初掲げた目標値からは程遠い数字数字でした。赤字垂れ流しがずっと続き、上向きの兆しはない暗中模索の時期が続きました。コンセプトはいいのですが、時代と旅行業界というかなり古風な業界の風土にはすぐには合わなかったような気がします。 だんだん売却した会社の方針と私を含めたオーストラリアでの創業メンバーの考え方が異なり、とうとう再度独立して起業することにしました。
ホットホリデー株式会社代表取締役社長
矢澤善夫
神奈川県横須賀市生まれ、城西大学機材学部卒業後、日本の旅行会社に就職し、1994年に渡豪。シドニー、パースを経て、現在はケアンズ在住。
2000年に現地オプショナルツアーを扱う旅行会社をオーストラリアで起業。
2010年より世界各国のオプショナルツアーの販売を開始し、世界の見どころを自分の足を運んで飛び回り中。現在66か国訪問。
経営するオプショナルツアーサイトは現在46か国で展開中で、取扱ツアー件数約4,000件。オプショナルツアー以外にも、ホテル、LCC(格安航空券)の手配も行い、2013年8月に、ドバイ支店開設し、現地では自社日本語ツアーも行っている。
パリ、ハワイなど主要な都市だけでなくアフリカや南米など、ニッチなディスティネーションにも積極的に行き、ツアー情報を収集し、取扱い国、取扱いツアーを、どんどん増やして行きたいと思っている。