ファッションは世界共通語 第3回 装うことを楽しもう

岡田亮二
 

先日、新進のファッション見本市・展示会の視察と市場調査のためソウルに行ってきました。

コラボレーションの打診をくれているイタリア人の友達が、自身のブランドを出展するというのでそのチェックも兼ねてのことでした。

考えてみたら、今回が2014年における「初海外」、1年が始まって半年以上を国内で過ごすのは異例なので、いつもよりワクワク感が多く伴う出張でした。

結果、美味しい韓国料理もたくさんいただくことが出来ましたし期待に違わぬナイスな出張となりました。

 

ところで、見本市・展示会でも、ショーでも、パーティでも、ファッション業界の人々が多く集う場に足を運ぶのは、いつだってとてもエキサイティングです。

展示品やコレクションを楽しみ、時に感嘆する以外にも、集まった人々のクールなスタイルから刺激をもらったり、自らが動く広告塔となって自身の作品をPRすることが出来るからです。

更に言えば、その場が海外、特にヨーロッパであった時には、僕のエキサイト指数はより一層高まります。

世界各国から人々が集っている場だと、何故でしょう、母国語が異なる人々が集まるせいでしょうか、見知らぬ人との間で「君のそのスタイル、いいじゃん!」とか「そのジャケット好きだな〜。。。」といった、フランクかつファッションオリエンテッドなコミュニケーションが国内より遥かに頻繁に起こるからです。

そして、かような感性の邂逅から始まる交流が後々いい関係に発展した、という経験が何度もあるからです。

そういえば、今回出展していた友人との出会いもそんな感じ、5年ほど前、ミラノでのことでした。

加えて、「洋服」の源流はやっぱりヨーロッパですから、その事実も僕をよりエキサイトさせる訳です。

そんな僕なので、イタリアを中心としたヨーロッパブランドの出展が中心だった今回の見本市・展示会には、かなり盛り上がって臨みました。

 

ちなみに、そういった場に行く時、僕は主に以下の3つの要素を頭に浮かべながら装いを決めています。

 

1.     自他ともに楽しくなるようなカラー・デザインのアイテムを選ぶ。

2.     自身のキャラクターが立つスタイリングをする。

3.     その場のこともイメージしてみる。

ファッション業界の「ワイルドサイドを歩く」者として絶対にしたくないのが、極度に保守的な装い。

例えば、フィレンツェの美しい青空の下で行われる催しにおける「クラシカルなチャコールグレイスーツ + ホワイトシャツ + ダークタイ」といった感じ。

いかにシックでエレガントでも、きっと楽しくはならないので、上記のシーンにこのような装いをしていくことはまずありません。
かといって、ロンドンの曇り空の下で行われる催しだとしてもこの装いは選ばないと思いますが(笑)。

 

また、そういった場において、立たせたい「自身のキャラクター」は、アヴァンギャルドなTailorの代表だったり、ユニークなテイラードウェアのDesignerだったり、その時々によって少々違うのですが、要するに「フリーキーでロックテイスト溢れるテイラードウェアを着ている人」ということになります。

「ファッションは世界共通語」です、自身のキャラクターをひとりでに、そして、的確に語ってくれる装いを日々したいものですね。

もちろん、カチッとしたドレスコードがある場合や女性をエスコートするような場合には、「自身のキャラクター立て」は二の次にして、その場に相応しい装いを優先するのは言うまでもありません。

何事にもメリハリは欠かせません。

 

今回のソウル出張。

いろいろ楽しく思いを巡らせた結果、このようなスタイルで見本市・展示会視察に出向きました。

 

 

割と目を引いたようで、会場では様々な人から声をかけられたり、親指を立てられたり(中指じゃありませんよ、念のため笑)しました。

まあまあ自信のあるスタイリングだったので、とても嬉しい成果でした。

 

ジャケットとパンツはいずれもRYOJI OKADA、僕のブランドです。

よろしければ、RYOJI OKADAのFacebook Pageをぜひチェックしてみて下さい!

 

それはともかくとして、ファッション業界であろうとなかろうと、ビジネスパーソンにとって、いや、ビジネスシーンだけではなく公私ともに、第一印象は極めて大切ですよね。

その大切な第一印象を決める要素は様々ある訳ですが、装いは最重要な要素ではないでしょうか。

僕の友達の中でも、とりわけクリエイティヴな活動・生き方をしている連中たちの装いからは、高い確率で彼らの作品や信条に通じる諸々がエモーショナルに発せられているように感じます。

間違っても、誰かのコピーのような、あるいは雑誌から出てきたような装いはしていません。

そして、その装いや立ち居振る舞いと魅力溢れるキャラクターが相まって、彼らは、自己紹介や名刺交換の前に、既に相手を魅了していたり、共感を得ていたりすることが少なくないようです。

そんな瞬間に立ち合った時に、「装いとは楽しいだけでなく実に有用なツールだなぁ」と改めて実感するのです。

それと同時に、「無頓着は機会ロスを産むよなぁ」とも思うのです。

 

という訳で、やられている方も多いとは思いますが、場や空間、時間や天気、ご自身の職種やキャラクター、そして、その日に会う人々など、例え短い時間でもいろいろ思いを巡らせて、日々の装いを決めてみてはいかがでしょうか。

あれこれイメージを膨らませて決めた装いはきっとポジティヴな何かを発してくれるはずです。

そして、自身のワードローブを理解し、想像力を膨らませ、時として大胆不敵に装いを決めていくプロセスはきっと感性を研ぎ澄ませてくれるはずです。

その結果、今まで以上に素敵な出会いに恵まれることになるでしょう。

 

最後に。

サイズ感、カラーの相性、基本的な着こなしのルールの把握などなど、うまく装うコツは様々あると思いますが、まずは何と言っても楽しむことが大事です。

楽しくないと続きませんし、そもそも自身の感性で選んだ「自分を引き立ててくれる服」を身にまとうこと、これってこの上なく贅沢な愉悦ですもんね、楽しまなければ損です!

という訳で、ぜひ皆さんも、思いっ切りドレスアップしたり、派手にカジュアルダウンしたり、時には肩の力を抜いてベーシックを狙ったり、自分らしく装うことを日々楽しんでみて下さい。

 

追伸

楽しむことと同じくらい姿見も大事でした。

もし、ご自宅に姿見をお持ちでなければ、ぜひとも早急に入手して下さい!



 
 

岡田亮二

LOUD GARDEN Creative Director ,RYOJI OKADA Designer
岡田亮二

LOUD GARDEN Creative Director ,RYOJI OKADA Designer岡田亮二1971年 東京生まれ。
1995年より、イギリスを代表する老舗テーラー、GIEVES & HAWKESの日本展開における企画責任者として活躍。
2002年10月に自身のブランド/テーラーショップ、A WORKROOMをメンズアパレル企業と共同で立ち上げる。
A WORKROOMは、アヴァンギャルドなテーラーとして直ぐに頭角を現し、ミュージシャン、俳優、フォトグラファー、アスリート等、クリエイティヴな職業に就く数多くの著名人を顧客名簿に持つブランドへと急成長する。
2010年に、既製品のコレクションライン、A WORKROOM by Ryoji Okadaを立ち上げ、世界最大の紳士服見本市PITTI IMMAGINE UOMO(フィレンツェにて半年に一度開催)にて発表。
ヨーロッパの小売店に自身がデザインした服を卸すという長年の夢を実現させるとともに、イタリアで最大部数を誇る日刊紙Corriere della Seraで取り上げられる等、ヨーロッパのファッション業界に大きなインパクトを残すことに成功する。
PITTI IMMAGINE UOMOへの出展を4シーズン続けた後に「敢えて茨の路へ!」と決意、完全なインディペンデントの立場を得るためにA WORKROOMを解散させ、2012年に自身のテーラーショップLOUD GARDENと自身のブランドRYOJI OKADAを設立。
「独力での日本発世界」を目指して、”Love, Passion and The Heart of Rock’n Roll!”な日々を生きている。

LOUD GARDEN official website www.loudgarden.com
RYOJI OKADA official website www.ryojiokada.com

キーワードからコラムを検索する