2014年2月4日
スパルタキャンパス初の日本人マネージャーになった
毎週月曜日が入学日。私と同時に入学した日本人は7人、韓国人は7人でした。この同期生をバッチメイトといいます。学校には約200人の生徒のうち韓国人がほとんどで、日本人は大学の長期休みなどになると増えるようですが、それでも15%くらい。その他、中国、ロシア、香港などから来ている人が数人です。
「勤めている会社で英会話が必要になったから」や「転職するための準備」など、留学理由はさまざまですが、日本人のほとんどが20代半ば〜30代前半でした。そして、大体の人が1、2週間の短期留学で帰ってしまい、長い人では半年間という人がいました。
また、ごく稀にご年配の方もいますが、彼らの理由は「老後をフィリピンで過ごすため」などの海外移住だそうです。私が学校で出会ったおじいさんも「毎日ゴルフ三昧!」と話していました(笑)。
学校にはマネージャーと呼ばれるスタッフがいます。その人物が生徒の世話をしてくれるのですが、私の学校には日本人生徒が少ないため韓国人のマネージャーのみでした。
マネージャーは韓国人生徒には韓国語で全てのことを説明しますが、その他の生徒には英語です。英語ができないので、初日から試練です(笑)。私たちは聞き取れたことをシェアしたり、先輩(先週入学した人など)に聞いたりして学校の情報を得ます。
「日本人マネージャーにならない?」
留学一ヶ月が過ぎた頃、日本人生徒が増えてきたため、韓国人マネージャーからこんなオファーがありました。この学校始まって依頼の初日本人マネージャーです!しかも生徒がマネージャーになるなんて・・・!!こんな面白い機会を逃すまいと、私は友人と2人で引き受けることにしました。
【学校の塀。逃亡OR侵入防止??】
仕事は新入生が土日に空港へ到着するので迎えに行くこと。そう、前回に書きましたが、私の一生忘れない光景である“餌に群がる鯉”の鯉になったのです(笑)。それから、毎週月曜日の入学オリエンテーションで日本人へ向けて、学校説明をしてあげること。特に大変なことではありませんでしたが、自分の時間は削られてしまいます。報酬として少額の現金とマンツーマンクラスを1ヶ月間無料でもらえましたが、このマンツーマン授業も追加という形なので・・・。私はどこまでも自分を追い込むことが好きなようです(笑)。
カリキュラムの中で一番恐ろしかったステップアップクラス
朝6時40分から授業が開始。ステップアップクラスというのですが、朝から恐ろしい数の単語を暗記します。暗記力が衰えている三十路には辛い授業でした(笑)。そして、ただ暗記するだけではなく、その後テストも行います。でも、朝はまだマシ・・・。
これと全く同じ授業を夜19時〜21時までやるのですが、こちらの方がキツイです。こちらも同じくテストをするのですが、結果が悪いと唯一遊べる金曜の夜が外出禁止になるのです!!というわけで、結構必死で勉強しますよね(笑)。ちなみに月〜木曜日は外出禁止です。遊びに行く時間もありませんが・・・。
土曜日の午前中はIELTS、TOELC、プログレステストのどれかが毎週あり、絶対に受けなければなりません。1週間の授業の成果を見るためと、IELTなどの試験に慣れるためです。土曜日の午後から日曜日の19時までは自由な時間です。ショッピング、観光、クラブなど、各自思い思いに過ごしていました。
日中はグループ授業とマンツーマン授業があります。グループ授業は4人制で、大体同じくらいのレベルの学生が集められます。私の場合は全員バッチメイトだったので、とても楽しく学ぶことができました。ただ、私は彼らより遥かに英語力が劣っていたため、追いつくのに必死でした・・・。
マンツーマン授業は、ものすごく狭い部屋で行ないます。先生と生徒の密着度が半端ないです!そして、なぜか大体が恋愛話(笑)。先生は20歳くらいの女子が多く、みんな恋愛のことで頭がいっぱいのようです・・・。お互いの国の恋愛事情や、結婚・離婚感などを話したりました。
食事については、寮生活なので3食用意されています。メニューは一週間分決まっていて、毎週繰り返しです。そして、毎食キムチ(笑)。韓国人生徒が大多数なので、メニューはほぼ韓国料理ですが“フィリピン人が作る韓国料理”です(笑)。何だろう、コレ!?と思う料理も度々ありましたね。売店もありますが、ここもほとんどの商品が韓国産。日本産は確か“のりたま”と“ペヤング”だけだったような・・・。
【ある日の昼食メニュー】
先生が恐れるのは“ティーチャーチェンジ”
先ほども書きましたが、先生のほとんどが20〜25歳の女性(もちろん男性もいます)。とにかく陽気で明るく、踊りやダンスがとても上手な先生達。ですが!たまに欠席や遅刻もあります。その時の先生の弁解は必死です!理由は生徒に“ティーチャーチェンジ”という権力があるから(笑)。
先生の教え方や態度など、自分に合わずに無理して勉強を続けていくのは辛いです。なので、週に一度“ティーチャーチェンジ”を申請できる日があります。先生は自分の受け持つクラスの数で給料が決まるので、なるべく自分の生徒を失いたくありません。このシステムのおかげで先生のやる気は保たれていて、生徒も充実した授業を受けることができるのです。
「過度な露出は厳禁!」の張り紙・・・。
ある日突然、私が滞在中に変なルールができました。これは生徒に向けてなのかと思ったら、どうやら先生たちへのようです。韓国人や日本人生徒の影響か、徐々に派手なファッションになっていく先生たち。何か問題が起こったのでしょうか?それとも起こる前の対策なのか?(笑)。まあ、マンツーマンの教室はとても狭いですしね・・・。
それから毎月最終金曜日には”クレイジーデー“というイベントがありました(毎月は大変だったのか、途中から2ヶ月おきに(笑))。というか、単純なものです。毎月テーマは変わるのですが、そのテーマに沿ったコスチュームをするだけ。
私が滞在中には2回あり、その時のテーマは“エンジェル”と“ファッショニスタ”でした。先生たちはそれぞれ工夫して段ボールや布を使い、手作りの衣装を仕上げてきていました。家族に手伝ってもらって徹夜で仕上げたとか!このイベントはもちろん生徒も参加OKです。「日本人は結構ノリノリで参加するけど、韓国人は抵抗があるみたい」と先生が言っていたのを思い出しました。
【クレイジーDAY。これでも一応先生です。。】
イベントといえば、先生たちの学校対抗バレー大会があったのですが、人数が足りずに駆り出され強制参加!21時に授業が終わった後からバレーの特訓ですよ。これから宿題もやらなきゃいけないのに!と思いながら(笑)。しかも、どうやら賞金がでるらしく、先生たちの目はマジでした・・・。大会の結果は準優勝で無事賞金も貰えて、ホッとしました。
学校にチャリティー目的でカラオケの機械が設置された時のこと。1曲歌うごとにお金を入れる機械で、そのお金が寄付されるという仕組みでした。まあ、その仕組みはどうであれ、先生たちの興奮はスゴかった(笑)。休み時間になる度に機械の周りは人集りで、常に誰かが歌っている状態。宿題をやっている間、夜遅くまで先生達が歌っていたのを思い出します・・・。
※ 私が書いたのはあくまで私の通ったスパルタキャンパスについてです。すべてのフィリピンELSがこんな感じではありません。自分に合ったカリキュラムを選び、もっとゆるく、ゆったりと過ごすこともできますよ。
ノマドデザイナーinカンボジア
代永加世子
山梨県南アルプス市出身。幼い頃から絵を描くことと洋服を作ることが好き。2000年に上京、服飾専門学校でファッションデザインを学ぶ。 学校の卒業コレクションで《日本繊維新聞社賞》受賞。卒業後、製造・卸メーカーで企画デザインを担当。その後、ブランディングコンサルタントのアシスタントとして活動。そこで学んだブランド戦略を活かしつつ、フリーランスのノマドワーカーになると決意。現在は世界中を旅しながら、デザインと大好きなアクセサリー作りをしている。