等身大の日本をベトナムに! 第5回 大盛況だったイベント!!

石井香織
 


 5月中旬、南シナ海の領有権問題をめぐって中国に反発したベトナム国民が中華系の企業の集まる工業団地を中心にデモを行った事は記憶に新しいかと思います。普段は温厚なベトナム人ですが、歴史的な背景も影響しているのでしょう、デモの一部が暴動化し、ベトナム人と中国人の双方で死傷者が出たと報道されました。



▼ホーチミン市近くの工業団地でのデモ


 


一時は暴徒化したデモ隊の一部がホーチミン市内に入ったという情報が流れ、大勢の警官が通りや中国大使館前を警戒し、緊迫した状況が数日続きました。最近ではタイのクーデターによるニュースによって多少関心が逸らされた感がありますが、ホーチミン市内で抵抗の意思を示し自らの命を絶った女性がいたり、新たにベトナムの漁船が中国船に体当たりされ沈没したなど、まだまだ予断を許さない状況と感じます。


工業団地に勤める日本人の知人は、多くの日系企業が窓にベトナム語で“私たちは日本の企業です”と貼り出した様子や、台湾の人々が助けを求めて逃げてきた様子、襲撃された工場が黒煙を上げていた様子など教えてくれました。ベトナム人の知人は、暴力に訴えてしまった事を同じベトナム人として恥ずかしく思っている。でも、応援してください。といったメッセージをくれたり、ベトナムが暴力に訴えることで、付入る隙を狙っている見えざる力もあるだろうから、我々は冷静でいなくてはいけない、と話してくれるベトナム人もいました。ベトナムは中国に南越国として紀元前から約1000年もの間支配されていたという歴史的な背景があります。国境も接していることから少しの刺激が大きな摩擦へ繋がるのかもしれません。一方で冷静に対応しよう、と考えているベトナム人も多いことには頼もしく感じます。ちなみに、ベトナムという呼び方は1804年グエン王朝時代にできたものだそうです。中国の清朝に国号を南越にしたいと申し出たところ使用を認められなかったため、上下を逆にし、越南(ベトナム)としたそうです。



▼被害を受けた工場から黒煙が上がる



さて、開催1週間前の時点で会場変更を余儀なくされたイベントも当日を迎えることができました。施工は夜を徹し、当日の朝までかかってサプライヤーが仕上げました。

10時からの開会式では、来賓に在ホーチミン日本国総領事館総領事やホーチミン日本商工会会長もお迎えする事ができ、ベトナム側も駐日大使ほか、ホーチミン市人民委員会副委員長、ベトナム商工会議所 ホーチミン所長といった方々にもご列席いただく事ができ、両国の友好の手を結ぼうという気持ちが盛り上がる中で開会することができました。



▼各ブースで日本各地の魅力をアピール!



このイベントでは、日系の飲食店の出展の他にも、日本に興味を持ったベトナム人が日本に実際に足を運べるよう、日本から各エリアや自治体の旅行協会が出展していました。それぞれのブースが各地域の魅力を伝えようとポスターを貼りだしチラシを配ったり、通訳のボランティアを使って日本を積極的にアピールする姿も見られました。

ホーチミンの11月はまだ最高気温が35度にも達するような気候ですが、午前中から会場に足を運んでくれる人が多く、初日で予想していた来場者数を上回ったと言っていたブースも多く見受けられました。

嬉しかったのは、ステージ上でも日越の交流が見られた事です。日本から参加したひばり呼子隊とホーチミン市内のヨサコイの団体が互いにエールを送りあいながら、踊りを披露し、最後は日越両団体がステージ上に上がり、自然と記念撮影を撮ろうという雰囲気が出来上がっていました。言葉が通じなくとも、同じ踊りを通して心を通わせあった瞬間です。


開催2日目の17時を過ぎたところで延べ来場者数が65,000人に達し、最後のフィナーレのミュージックフェスを迎えようとしていたその時、夕方から突然のスコールと突風に見舞われ、イベントは一時中断。今日はもう本番は無理か・・・・というところまでいったのですが、お客さんは雨の中もずっと待っていてくれ時間を半分にして、決行!日本からはサンプラザ中野くんや寺田恵子さん、アジアと日本を結ぶ活躍をしているGypsy Queenが来越し、ベトナムで活躍する人気歌手Hien Thucや国民的歌手Ho Quynh Huong、若手人気歌手Dong Nhiとコラボしながらステージを盛り上げ客席も一体となり最高潮。実は、この会場はアルコールの販売を一切行っていませんでした。それでも国籍に関係なく会場全体で盛り上がった時間を肌で感じ、開催した側としてもようやく胸を撫でおろしたのでした。


▼日越のアーティストのコラボで会場は大盛況







▼日越のアーティストの間でも強い絆が




イベントを終えて戴いたビールの美味しかったこと。反省点は多く残りましたが、次回への財産でもあります。


何よりの宝は、ベトナムと日本を繋ぎたいという思いで心をひとつにし、仲間と共にこのプロジェクトを成し遂げることができたということです。


2014年も11月中旬に開催予定です。ベトナムホーチミンへお越しの際は、ぜひ足をお運びください!ベトナムへの足がかりとして、イベントへの出展をお考えの方もお気軽にお問い合わせいただければと思います。

 
 

石井香織

ベトナム在住エグゼクティブコーチ
石井香織

大学卒業後、大手製薬メーカー勤務。人材開発、本社CSR業務に携わった後、2012年、夫の事業の関係でホーチミンに移住。日本とベトナムの友好の懸け橋になるべく、イベントを企画。東京代々木で毎年開催される「ベトナムフェスティバル」の逆バージョンである「Japan Festival in Vietnam」を立上げ65,000人を集客する。ホーチミン事務局長。その他、経営者層を対象としたエグゼクティブコーチやセミナー講師も務める。ホーチミンで働く女子のためのキャリアアップコーチング、聴き方学校等のセミナー開催。JACリクルートメントベトナムコンサルタント。熱気溢れるホーチミンの今を肌感覚でお伝えしていきます。

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