海外ビジネスに関連するコラム

世界で通用するスピーチ力 第2回

トークが上達するための3ステップ

スピーチ・ジャパン フリーアナウンサー 早坂まき子

 

前回、「トークが上達するのは才能ではない」とお伝えしました。

練習と経験、そしてトーク向上のためのポイントを意識しながら生活する。

この三つが重要です。

 

では、どのように意識しながら生活すればトークが上達することに繋がるのでしょうか。

トーク上達のための3つのステップがあります。それがこちら。

 

1、「知識はあるけれど話せない」

2、「意識すれば話せる」

3、 「無意識でも話せる」

 

この3ステップを踏んで向上します。1から3に飛び級することはほぼありません。どんなトークの上手い人、ビジネスプレゼンテーション能力が高い人も、この3ステップは踏んでいるはずです。

この場合の「話せない」は「うまく伝わらない」という意味です。論理的でなく、相手本位ではないトークは子供でもできます。

 

知識はあるけど話せない

 

解説していきます。まず、1、「知識はあるけれど話せない」について。

まず、ステップ1は、論理的で相手本位(何も求められているか、何を伝えたらよいか)のトークのノウハウを座学で学んだ状態です。

 

車の免許取得の段取りと同じです。はじめは、誰もが座学から講習がスタートします。いきなり公道で運転する教習所は日本ではありません。

 

トーク練習も同じで、まずはポイントを座学で学びます。

我々アナウンサーは、テレビ局に入社後に新人アナウンサー研修を受けます。カメラの前…つまり公の場でトークをする前に基本的なトーク技術(業界では、アナウンス技術という)や社会人としてのマナー、心構えなどを座学で学ぶのです。

そして、局によって研修時間は様々ですが一ヶ月から十ヶ月かけて、ようやくステップ1の「知識はあるけれど話せない」という状態になります。

 

意識すれば話せる

 

座学を繰り返しているのに、なぜまだうまく喋ることができないのか?それは、座学だけではなく「実践練習」をしなければ上達しないからです。

再び車の免許取得の段取りと比べると分かりやすいでしょう。車の運転に関する知識を座学で学んでから、仮免許ながら実際に車に乗って運転します。隣に教官が座り、座学で得た知識を考えながら=意識しながら運転します。ウィンカーをどのタイミングで出すか、バックする際にどこを見ればよいか、右折する時の注意点は・・・など意識すべきことは沢山あります。

これが、2、「意識すれば話せる」という状態です。


大切なのは、ステップ2です。ビジネス上でも、日々の生活の中でも、常にトーク上達ノウハウを意識しながら生活することが向上に繋がります。

その中では失敗も沢山経験します。この失敗が大切なのです。自分が失敗を経験し、「次回はどのように工夫したら成功するだろうか?」と考えます。それが貴方のトーク力向上に繋がります。

 

プロ野球の野村克也元監督が、こう話しています。

「【失敗】と書いて【せいちょう】と読む」

失敗こそ、成長のきっかけでありチャンスなのだと名将は常々語っていました。

 

ですので、このコラムを読む貴方がもしトークを磨きたいのであれば、ステップ2「意識すれば話せる」という状態を繰り返してください。

 

無意識で話せる

 

すると、3 「無意識で話せる」という状態に変化していきます。ステップ2から3に上がるための日数は人によって異なります。一ヶ月か、半年、一年、五年か。努力と経験数と、いかに失敗から学び工夫を見出していくか、で異なるのです。

 

 

プロ野球選手も同じです。鳴り物入りで入団した選手が一年目からプロの世界に対応できて、新人賞をとる人。同じく高校野球で素晴らしい成績を残した選手でも、プロの世界になかなか対応できず、四年かけてようやく首位打者となった人。様々です。

取材して、両者に共通点を見つけました。ステップ2に重きを置いていいることです。コーチや先輩から学んだ知識を意識しながら、練習に臨んだり試合で経験を積んでいたりするわけです。それが、何年で花開くのかはわかりません。ただ諦めずに努力したからこそ四年かけて首位打者となった選手を知っています。

皆さんもスピーチ向上を目指すのであれば今回お伝えした、【トークが上達する、3ステップ】を念頭に生活してみてください。

 

早坂まき子

スピーチ・ジャパンフリーアナウンサー
早坂まき子

フリーアナウンサー、スピーチ講師。2002年ミス清泉女子大学グランプリ。
元フジテレビ系列仙台放送アナウンサー。在局時は、スポーツ担当として東北楽天ゴールデンイーグルスを2005年の初年度から取材。『スーパーニュース』スポーツコーナーから、情報番組の食事リポート、イベント司会まで幅広いジャンルをこなす。
2011年の東日本大震災で震災報道も経験。
J:COM「週刊ボランティア情報・みんなのチカラ」(2011年8月~翌年3月まで放送)にて、ケーブルテレビアワード2012年審査員特別賞受賞。
現在、スピーチ講師として、企業研修や結婚相談所でのコミュニケーションセミナー、トーク時における立ち居振る舞いセミナーを実施。
清泉女子大学、非常勤講師。

株式会社スピーチジャパン所属 http://bizsp.net/
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