海外ビジネスに関連するコラム

世界で通用するスピーチ力 第7回

【話の長い人、短い人】

スピーチ・ジャパン フリーアナウンサー 早坂まき子

 

結論から言いますと、会話やスピーチにおいて「話が長い=トークが上手い人。」ではありません。

話が長いというのは、「豊富な知識・情報を持ち合わせ、専門的な話が可能な優秀な人間である」ということとはイコールにならない、と思ってください。

なぜ、このようなトークの長さについて今回コラムのテーマにしたかというと、未だにビジネス上で「トークが長い=いくらでも語ることができる知識人」と考える人の存在があるからです。

セミナーや講演会などは、一人のスピーカーが90分や200分話すことがあります。

しかし講演会と、ビジネス・オフィシャルの会話やスピーチが求められているトーク技術は「別物」と考えてください。

「トークとは長ければ良いものではない。」

と理解した上で、以下お読みくださいね。

話が長い人の特徴を挙げましよう。

・そもそも与えられた時間に収めようとしていない。
・複数の情報を、短時間に無理矢理詰め込もうとしている。
・トークの途中で軸がぶれる、話が脱線する。

このようなトークをする方、周囲にいませんか?もしいらっしゃるのならば、反面教師として「なぜこの人のトークは長いのだろうか?」と分析してみてください。

家族や恋人同士の日常会話ならまだしも、ビジネス上でのコミュニケーションで長い話をされることほど、辛いことはありません。

上記に挙げたトークが長い人の特徴をまとめると「要約力」が足りないと思われます。

知識を持っているからこそ、沢山伝えたいことがある。その気持ちは理解できます。

ですが、時として100ある知識を全て伝えるよりも、100つのうち1つ2つに選択し的を絞って伝えた方が聴き手として受け止めやすいことの方があるわけです。

話が長くならないためには

・持っている知識、情報の中でも【一番伝えたいこと】は何か?
・一言で要約すると?
・そもそも相手(聴き手)が一番望んでいる情報とは?

以上のことを心がけてください。

トークが長い人が好まれにくい、というのは世界中同じです。

もし貴方が招待された立食パーティーで突然スピーチを頼まれた場合、壇上で10分も喋る…だなんて思いやりのない行為。

シャンパングラス片手にスピーチを聴かなければならない聞き手(パーティーの参加者)の気持ちを考えましょう。

公私共にパーティーが頻繁に開かれる欧米文化で育つ人が人前でスピーチすることに慣れているのは、経験値が高い事と、スピーチが上手い人(上司、家族、友人など)がごく身近に存在するからです。

経験を重ねることがスピーチ向上で大切なのは、このコラムでも常々お伝えしていますね。さらに、スポーツでも楽器演奏でも同様で、身近に上手な人がいるということは「真似してよい手本に触れ合う機会が多い」という事なので、上達の近道でもあります。

是非、スピーチがだらだらと意味もなく長くならないように上記のポイントをおさえて「意識して」練習をしてみてください。

そして、1分でトークする事に長けているスピーチ上手な人を参考にしてみましょう。

(完)

 

早坂まき子

スピーチ・ジャパンフリーアナウンサー
早坂まき子

フリーアナウンサー、スピーチ講師。2002年ミス清泉女子大学グランプリ。
元フジテレビ系列仙台放送アナウンサー。在局時は、スポーツ担当として東北楽天ゴールデンイーグルスを2005年の初年度から取材。『スーパーニュース』スポーツコーナーから、情報番組の食事リポート、イベント司会まで幅広いジャンルをこなす。
2011年の東日本大震災で震災報道も経験。
J:COM「週刊ボランティア情報・みんなのチカラ」(2011年8月~翌年3月まで放送)にて、ケーブルテレビアワード2012年審査員特別賞受賞。
現在、スピーチ講師として、企業研修や結婚相談所でのコミュニケーションセミナー、トーク時における立ち居振る舞いセミナーを実施。
清泉女子大学、非常勤講師。

株式会社スピーチジャパン所属 http://bizsp.net/
無料動画セミナー公開中 http://bizsp.net/freeseminar/