海外ビジネスに関連するコラム

世界は身近にあるもんだ ~国歌研究家 日本で海外の魅力を探す~ 第11回

『芸は身を助ける』 旅をチョット特別にするために身につけたい“旅芸”

国歌研究家 国歌の輪プロジェクト代表 浅見良太

 

前回、芸を身につけることで得られることをご紹介しました。

https://global.innovations-i.com/article/136.html

今回は、
「芸が大事なのは分かったけど、何をしたらいいか分からない」
ということを思っている読者に向けてオススメの“旅芸”を筆者自身の経験談を交えて御紹介します。

人と仲良くなるのに本来道具入りません。

でもあるに越したことはないわけです。

英語が普及していない国はまだまだ沢山あります。そんな国に行った際役立つのが“芸”です!

様々な国に行く方必見です!

1.楽器

練習する時間がある方にオススメ。

【メリット】

ヨーロッパでは当たり前のように路上パフォーマンスが行われています。

様々なパフォーマーが場所を取り合いながら各々の演技をしているわけですが、見ていて感じた事は
“音が鳴るものは強い”
ということ。

ドイツのケルン大聖堂前で、パントマイムとヴァイオリンが隣り合っていました。多くの人が集まっていたのはヴァイオリン。パントマイマーが未熟だったのかと言えばそんな事はありません。ストーリーがありヴァイオリンより見応えがあったように思えます。

しかし人間は音が出る方に目が行きます。

そして見栄えがいいです!

カッコいいです!!

旅先の宿で楽器を弾ける人は重宝されます。言葉が通じない人との距離を一気に縮めてくれるはずです。

【デメリット】

やはり楽器をするには練習が必要です。

筆者もオカリナを練習して海外に持って行った事がありました。

しかし、技術が未熟で人に見せるには練習が明らかに不足していたのです。

楽器をコミュニケーションツールとして使うには2曲くらいは完ぺきに弾けるようにしておきたい所です。

また、壊れる可能性や荷物になるということも考慮しなければいけません。

特に空港での荷物の扱いは乱雑です。高価なものや壊れやすい楽器は注意が必要です。

2.プレゼント

個人的には否定的です。

【メリット】

渡した相手に形として残るため自身を印象付けることが出来ます。

また、折り紙や箸など日本独自の物を持って行けば相手は喜んでくれますよ!

【デメリット】

荷物になります。そして数に限りがあることも大きな問題です。

数に限りがあると誰に渡したらいいか分からなくなることがあります。

初めて海外旅行に行った際5円玉を持って行きました。

日本の5円玉は世界でも珍しい真ん中に穴があるコインだから喜んでくれるに違いないと考えたわけです。

予想は的中!

受け取った人たちはとても喜んでくれました。しかも価値がありそうな色をしているのも良かったのかもしれません。

ただ問題が1つ。

重いし、かさばる
銭形平次ばりに持ったら大変なことになります。

折り紙も濡れてしまったらそれまでですし、長期旅行には向きません。

3.南京玉簾

かなりオススメです!

【メリット】

“日本独自の”伝統芸というのがいいですね。

海外の方はそれでだけで興味を持ってくれます。

歌いながらできるのもいいですし、手拍子も入れたら見ている人も参加できるので距離が一気に縮まります。

縁者が作った形をゲストに想像させる芸なので様々な国で使うことが出来ます。

また丸めてバックに入れることが出来るのでかさばりません!

披露すればインパクト大です。

【デメリット】

ダイナマイトに間違えられることがあります。

イスラエルの駅でX線を使った荷物検査を受けた際、丸めてバックに入れていた南京玉簾をダイナマイトと勘違いされ外に出して見せるよう要求されたことがありました。

剣玉でも同じようなことがありました。インドの空港で武器になると言われ機内に持ち込めず空港警察に捨てられたことが・・・今では笑い話ですが当時は練習してきた剣玉を捨てられてしまい悲しみと怒りが同時にこみあげてきた事を覚えています。

4.国歌

そして行きついたのは・・・

【メリット】

出会った人の出身国の国歌を歌うことは距離を縮めるのにとても有効です。

道具は何もいりません。

そして相手国の人々に驚かれ喜ばれます。そして覚えてもらえます。

発音は間違っていてもかまいません。メロディさえ合っていれば相手はあなたが何をしようとしているのか理解してくれます。

毎回覚えていなくても大丈夫。

話しかけたい人に声をかける前に、メロディを聞きます。そこで覚えて鼻歌でワンフレーズ口ずさんでみましょう。

これだけであなたはしっかり覚えてもらえます。

【デメリット】

問題を抱えている国歌を歌うことは避けてください。

例えば、ドイツ国歌。

1番はナショナリズムを高める内容でヒトラーが好んで使っていました。ゆえに現在は2番のみを公式の場で歌います。

1番を公衆の場で歌うことはオススメしません。

仕掛けを考えると旅が一層楽しくなる!

観光地を周る事はとても楽しいことです。

しかし、現地の人たちと話すとガイドブックには載っていない貴重な体験をすることが出来ます。ビジネスでも相手とコミュニケーションがうまくできるかがポイントです。

そんな中、あなたが何かアピールできるのもがあれば強力な武器になるのです。

極める必要はありません。相手の方が楽しんでくれたらいいのです。

皆さんも、自身の世界が広がる芸を身につけてみませんか?

 

浅見良太

国歌研究家国歌の輪プロジェクト代表
浅見良太

埼玉県出身。テレビ番組制作会社を経て現職。
大学2年の時、ヒッチハイクで埼玉~屋久島間を19台乗り継ぎ往復し、自分の知らない世界に触れ、様々な人に出会える旅の面白さを知る。
2007年、初めての海外旅行でインド・ネパールを1ヶ月周ったことをキッカケに就職するまでにバックパッカーで計30カ国を訪問。
旅中、出会った人に出身国の国歌を歌ってもらい、それをボイスレコーダーで録音する“国歌録音活動”を始め、数多くの国歌を収録。国歌の奥深さ、面白さにはまる。
2010年、名古屋の東海テレビプロダクションに入社。情報番組、バラエティ番組、スポーツ番組などでディレクターを務める。同社在社中も仕事の合間をぬって国歌録音、執筆活動を継続。

2015年に退社後、”国歌研究家”として「国歌を通じた国際交流」の普及を目的に、国歌に関する執筆活動や講演、イベント運営などを行っている。
同年4月、国歌を通じた国際交流の普及を目的とした団体「国歌の輪プロジェクト」を立ち上げ、代表を務める。