2019年11月28日
今回取材にお答えいただいたルイ大使
投資環境整備に力を入れるアンゴラ
大使館の部屋に飾られたアンゴラの地図。各地にそれぞれの魅力がある
石油依存脱却を目指すアフリカの産油国
アンゴラのフラッグキャリア“TAAGアンゴラ航空”
コーヒー、オリーブから見える内戦が残したもの
―コーヒーの生産が盛んだったと聞きました―
内戦前までは世界第4位のコーヒー生産国でした。しかし残念ながら30年近く続いた内戦で農家が国外へ逃げてしまい、現在は当時ほどではありません。今、政府がコーヒー生産を復活させようとウィジェ州、クアンザ・ノルテ州、クアンザ・スル州、ビエ州で力を入れていまして、少しずつですが輸出しています。近い将来、日本にもコーヒーを入れたいですね。
今年8月に横浜で開催されるTICAD7でビジネスEXPOが行われます。アンゴラのブースではコーヒーに関する最新の情報の入手や試飲ができるかと思いますので来ていただきたいです。
―やはりアンゴラの方はコーヒー好きなのですか?―
ここが面白いのですが、アンゴラ人は沢山コーヒーを作っているものの飲む人は多くありません。むしろ紅茶を好んで飲む人が多いです。牛乳に少しだけ入れて飲むことはありますけど。日本のようにストレートで飲むということはあまりしません。
―オリーブも質が良いというのは本当ですか―
伝統的に栽培されてきた物で品質は良いです。ただ、こちらも生産インフラが整っていないので輸出まで至っていません。昔はどこの店にもあったのですが・・・・
内戦前はオリーブだけでなく、国産のバターやチーズ、ソーセージを食べる事は当たり前でした。でも長い内戦でインフラが壊れ多くが国内で生産できなくなってしまったんですね。そのため今は全て輸入に頼っています。輸入に頼っていることはインフレが進む原因でもあるので、この問題も早く解決したいと考えています。
実際に行ってアンゴラを感じてほしい
―日本からの投資は多くありません。何が足かせになっているのでしょうか―
私はまだ日本に来て日が浅いのでハッキリとしたことは言えませんが、“アンゴラ” “アフリカ”に対する、“危ない”などのネガティブなイメージを変えて欲しいとは思っています。
いつも言っているのは、アンゴラは非常にポテンシャルがある国だということです。
アンゴラは何でも出来るところですので、実際に現地に行って、見て、感じて「ビジネスチャンスがある」と思って頂き次のステップに進んでほしいです。
皆さん是非アンゴラに来てください。私達は今国作りをしています。その国作りを世界のベストパートナーと一緒にやりたい。その中に日本が入っています。私達は日本と力を合わせ国作りをしたいと考えています。
大使が持つアンゴラへの想いは強い
大きなポテンシャルを秘めた豊かな国
経済の多角化を目指す他の産油国とアンゴラの違いは何でしょうか。
それは“無かったものを生む”のではなく、“あったものを復活させ発展させる”という点でしょう。アンゴラは輸入を減らし、付加価値の高い製品を生産して海外に輸出したいと考えています。
過去コーヒーやオリーブなど高品質なものが盛んに生産され世界に輸出していました。しかしこれらが縮小してしまった原因は2002年まで30年あまりにわたって行われた内戦です。戦いの中で農家は国外へ、加工に必要な施設や製品を輸送する道路などのインフラも破壊され、その爪痕がアンゴラ発展の足かせになっています。しかし、インフラが整備され環境が整えば、元々持っているポテンシャルを活かし大きな発展を遂げる可能性が大いにある国なのです。
今回取材にご協力いただいたアンゴラ大使館
ルイ 駐日アンゴラ共和国特命全権大使 略歴
ルイ・オルランド・フェレイラ・デ・セイタ・ダ・シルヴァ・シャビエル駐日アンゴラ共和国特命全権大使
1976年外務省入省。
外交官としてイタリアやポルトガルで駐在経験を積む一方で、アフリカ中東局OAU部部長、欧州局西欧州部部長、外務省多国間関係局長代理などを歴任。2018年7月より現職。
英語だけでなくフランス語、イタリア語、ポルトガル語を使いこなす。
国歌研究家国歌の輪プロジェクト代表
浅見良太
埼玉県出身。テレビ番組制作会社を経て現職。
大学2年の時、ヒッチハイクで埼玉~屋久島間を19台乗り継ぎ往復し、自分の知らない世界に触れ、様々な人に出会える旅の面白さを知る。
2007年、初めての海外旅行でインド・ネパールを1ヶ月周ったことをキッカケに就職するまでにバックパッカーで計30カ国を訪問。
旅中、出会った人に出身国の国歌を歌ってもらい、それをボイスレコーダーで録音する“国歌録音活動”を始め、数多くの国歌を収録。国歌の奥深さ、面白さにはまる。
2010年、名古屋の東海テレビプロダクションに入社。情報番組、バラエティ番組、スポーツ番組などでディレクターを務める。同社在社中も仕事の合間をぬって国歌録音、執筆活動を継続。
2015年に退社後、”国歌研究家”として「国歌を通じた国際交流」の普及を目的に、国歌に関する執筆活動や講演、イベント運営などを行っている。
同年4月、国歌を通じた国際交流の普及を目的とした団体「国歌の輪プロジェクト」を立ち上げ、代表を務める。